開運!南無妙法蓮華経!3回唱えるだけで運気倍増!妙法蓮華経。提婆達多品。第十二。

南無妙法蓮華経

妙法蓮華経みょうほうれんげきょう。提婆達多品だいばだったほん。第十二だいじゅうに

爾時佛告諸菩薩にじぶつごうしょぼだつ及天人四衆ぎゅうてんにんししゅ吾於過去ごおかこ無量劫中むりょうこうちゅう求法華経ぐほけきょう無有懈倦むうけけん於多劫中おたこうちゅう常作国王じょうさこくおう

發願救於はつがんぐお無上菩提むじょうぼだい心不退轉しんぶたいてん為欲満足いよくまんぞく六波羅蜜ろくはらみつ勤行布施ごんぎょうふせ心無悋惜しんむりんじゃく象馬七珍ぞうめしちりん国城妻子こくじょうさいし

奴婢僕従ぬびぼくじゅう頭目随脳づもくずいのう身肉手足しんにくしゅそく不借軀命ふしゃくくみょう時世人民じせにんみん寿命無量じゅみょうむりょう為於法故いおほうこ損捨国位えんしゃこくい委政太子いしょうたいし

撃鼓宣令ぎゃつくせんりょう四方救方しほうぐほう誰能為我しぃのういが説大乗者せつだいじょうしゃ吾當終身がとうじゅうしん供給走使くきょうそうし時有仙人じうせんにん来白王言らいびゃくおうごん

我有大乗がうだいじょう名妙法蓮華経みょうみょうほうれんげきょう若不違我にゃくふいが當為宣説とういせんぜつ王聞仙言おうもんぜんごん歓喜踊躍かんぎゆやく即随仙人そくずいせんにん供給所須くきゅしょしゅ

採果汲水さいかぎっすい拾薪設食じゅうしんせつじき乃至以身ないしいしん而作牀座にさじょうざ身心無倦しんじんむけん于時奉事うじぶじ経於千歳きょうおせんざい為於法故いおほうこ

精勤給侍しょうごんきゅうじ令無所乏りょうむしょうぼう爾時世尊にじせそん欲重宣此義よくじゅうせんしぎ而説偈言にせつげごん

我念過去劫がねんかここう為救大法故。いぐだいほうこ雖作世国王すいさせこくおう不貧五欲楽ふとんごよくらく椎鐘告四方すいうだいほうしゃ誰有大法者すいうだいほうしゃ若為我解説にゃくいがげせつ

身當為奴僕しんとういぬぼく時有阿私仙じうあしせん来百於大王らいびゃくおだいおう我有微妙法がうみみょうほう世間所希有せけんしょけう若能修行者にゃくのうしゅぎょうしゃ吾當為汝説ごとういにょせつ

時王聞仙言じおんもんぜんごん心生大喜悦しんしょうだいきえつ即便随仙人そくべんずいせんにん供給於所須くきゅおしょしゅ採薪及果蓏さんしんぎゅうから随時恭敬與ずいじくぎょうよ情存妙法故じょうぞんみょうほうこ

身心無懈倦しんじんむけけん普為諸衆生ふいしゅしゅじょう勤救於大法ごんぐおだいほう亦不為己身やくふいこしん及以五欲楽ぎゅういごよくらく故為大国王こいだいこくおう勤求獲此法ごんぐぎゃくしほう

遂致得成仏すいちとくじょうぶつ今古為汝説こんこいにょせつ

佛告諸比丘ぶつごうしょびく爾時王者にじおうしゃ則我身是そくがしんせ時仙人者じせんにんしゃ今提婆達多是こんだんばだったぜ由提婆達多ゆだいばだった善知識故ぜんちしきこ令我具足りょうがぐそく

六波羅蜜ろくはらみつ慈悲喜捨じひきしゃ三十二相さんじゅうにそう八十種好はちじゅうしゅごう紫磨金色しまこんじき十力じゅうりき四無所畏しむしゅい四欇法ししょうぼう十八不共じゅうはちぶぐ

神通道力じんづうどうりき成等正覺じょうとうしょうがく廣度衆生こうどしゅじょう皆因廣提婆達多かいいんだいばだった善知識故ぜんちしきこ告諸四衆ごうしょししゅ提婆達多だいばだった

却後過無量劫きゃくごかむりょうこう當得成佛とうとくじょうぶつ號曰天王如来ごうわつてんのうにょらい應供おうぐ正徧知しょうへんち明行足みょうぎょうそく善逝ぜんぜい世間解せけんげ無上士むじょうじ

調御丈夫ちょうごじょうぶ天人師てんにんしぶつ世尊せそん世界名天道せかいみょうてんどう時天王佛じてんのうぶつ住世二十中劫じゅうせにじっちゅう廣為衆生こういしゅじょう説於妙法せっとみょうほう

恆河沙衆生得阿羅漢果ごうがしゃしゅじょうとくあらかんか無量衆生むりょうしゅじょう發縁覺心はつえんがくしん恆河沙衆生ごうがしゃしゅじょう發無上道心はつむじょうどうしん得無生忍とくむしょうにん

住不退轉じゅうふたいてん時天王佛じてんのうぶつ般涅槃後はんねはんご正法住世しょうほうじゅうせ二十中劫にじゅうちゅうごう全身舎利ぜんしんしゃり起七寶塔きしちぼうとう高六十由旬こうろくじゅうゆじゅん

縦廣四十由旬じゅうこうしじゅうゆじゅん諸天人民。しょてんにんみん悉知雜華しつちざつけ抹香焼香塗香まつこうしょうこうづこう衣服瓔珞えぶくようらく幢幡寶蓋どうばんほうがい伎楽歌頌ぎがくかじゅう

礼拝供養七寶妙塔らいはいくようしっぽうみょうとう無量衆生むりょうしゅじょう得阿羅漢果とくあらかんか。無數衆生むしゅうしゅじょう悟辟支佛ごうひゃくしぶつ不可思議衆生ふかしぎしゅじょう發菩提心ほっぼだいしん

至不退轉しふたいてん佛告諸比丘ぶつごうしょびく未来世中みらいせちゅう若有善男子善女人にゃくうぜんなんしぜんにょにん聞妙法華経もんみょうほうけきょう提婆達多品だいばだったほん浄心信敬じょうしんしんぎょう

不生疑惑者ふしょうぎわくしゃ不堕地獄ふだじごく餓鬼畜生がきちくしょう生十方佛前しょうじゅうぼうぶつぜん所生之處しょしょうししょ常聞此経じょうもんしきょう若生人天中にゃくしょうにんでんちゅう

受勝妙楽じゅうしょうみょうらく若在佛前にゃくざいぶつぜん蓮華化生れんげけしょう於時おじ下方げほう多寶世尊たほうせそん所従菩薩しょじゅうぼさつ名曰智積みょうわっちしゃく啓多寶佛けいたほうぶつ

當還本土とうげんほんど釈迦牟尼仏しゃかむにぶつ告智積曰ごうちしゃくわつ善男子ぜんなんし且待須臾しゃだいしゅゆ此有菩薩しうぼさつ名文珠師利みょうもんじゅしり可與相見かよそうけん

論説妙法ろんぜつみょうほう可還本土かげんほんど爾時文殊師利にじもんじゅしり坐千葉蓮華ざせんようれんげ大如車輪だいにょしゃりん倶来菩薩くらいぼさつ亦坐寶蓮華従於大海やくざほうれんげじゅうおだいかい

娑竭羅龍宮しゃからりゅうぐう自然涌出じねんゆしゅつ住虚空中じゅうこくうちゅう詣霊鷲山けいりょうじゅせん従蓮華下じゅうれんげげ至於佛前しおぶつぜん頭面敬禮づめんきょうらい二世尊足にせそんぞく

修敬已畢しゅうきょういひつ往智積所。おうちしゃくしょ共相慰問ぐそういもん却坐一面きゃくざいちめん智積菩薩ちしゃくぼさつ問文珠師利もんもんじゅしり仁往龍宮にんのうりゅうぐう所化衆生しょけしゅじょう

其數幾何ごしゅきが文殊師利言もんじゅしりごん不可稱計ふかしょうけい非口所宣ひくしょせん非心所測ひくしょせん且待須臾しゃだいしゅうゆう自當有證じどううしょう所言未竟しょごんみきょう

無數菩薩むしょうぼさつ坐寶蓮華ざほうれんげ従海涌出じゅうかいゆじゅつ詣霊鷲山けいりょうじゅせん住在虚空じゅうざいこくう此諸菩薩ししょぼさつ皆是文殊師利かいぜもんじゅしり之所化度ししょけど

具菩薩行ぐぼさつぎょう皆共論説かいぐろんぜつ六波羅蜜ろくはらみつ本聲聞殸人ほんしょうもんにん在虚空中ざいこくうちゅう説聲聞行せっしょうもん今皆修行こんかいしゅぎょう大乗空義だいじょうくうぎ

文殊師利もんじゅしり謂智積曰いちしゃくわつ於海教化おかいきょうけ其事如此ごじにょし爾時智積菩薩にじちしゃくぼさつ以偈讃曰いげさんわつ

大智徳勇健だいちとくゆごん化度無量衆けどむりょうしゅ今此諸大會こんししゅだいえ及我皆已見ぎゅうがかいいけん演暢暢實相義えんちょうじつそうぎ開闡一乗法かいせんいちじょうほう廣導諸羣生こうどうしょぐんじょう

令速成菩提りょうそくじょうぼだい文殊師利言もんじゅしりごん我於海中がおかいちゅう唯常宣説ゆいじょうせんぜつ妙法華経みょうほうれんげきょう智積菩薩ちしゃくぼさつ問文殊師利言もんもんじゅしりごん

此経甚深微妙しきょうじんじんみみょう諸経中寶しょきょうちゅうほう世所希有頗有衆生せしょけうはうしゅじょう勤加精進ごんかしょうじん修行此経。しゅぎょうしきょう速得佛不そくとくぶつぶ文殊師利言もんじゅしりごん

有娑竭羅龍王女うしゃからりゅう年始八歳ねんしはっさい智慧利根ちえりこん善知衆生ぜんちしゅじょう諸根行業しょこんぎょうごう得陀羅尼とくだらに諸佛所説しょぶつしょせつ甚深秘蔵じんじんひぞう

悉能受持しつのうじゅうじ深入禅定しんにゅぜんじょう了達諸法りょうだつしょほう於刹那頃おせつなきょう發菩提心ほつぼだいしん得不退轉とくふたいてん辯才無礙べんざいむげ慈念衆生じねんしゅじょう猶如赤子ゆにょしゃくし

慈悲仁譲志意和雅じひにんじょうしいわげ能至菩提のうしぼだい智積菩薩言ちしゃくぼだつごん我見釈迦如来がけんしゃかにょらい於無量劫おむりょうこう難行苦行なんぎょうくぎょう積功類徳しゃくくるいとく

求菩薩道ぐぼさつどう未曽止息みぞうしそく観三千大千世界かんさんぜんだいせんせかい乃至無有ないしむう如芥子許にょけしこ非是菩薩ひぜぼさつ捨身命處しゃしんみょうしょ為衆生故いしゅじょうこ

然後乃得ねんごないとく成菩提道。じょうぼだいどう不信此女ふしんしにょ於須臾頃おしゅゆきょう便成正覺べんじょうしょうがく言論未訖ごんろんみこつ時龍王女。ごんろんみこつ忽現於前じりゅうおうにょ

頭面禮敬づめんらいきょう却住一面きゃくじゅういちめん以偈讃曰いげさんわつ

深達罪福相じんだつざいふくそう徧照於十方へんじょうおじつぽう微妙浄法身みみょうじょうほっしん具相三十二ぐそうざんじゅうに以八十種好いはちじゅしゅごう用荘厳法身ゆうしょうごんほっしん天人所戴仰てんにんしょたいごう

龍神咸恭敬りゅうじんげんくぎょう一切衆生類いっさいしゅじょうるい無不宗奉者むふしゅうぶじゃ又聞成菩提うもんじょうぼだい唯佛當證知ゆいぶつとうしょうち我闡大乗教がせんだいじょうきょう度脱苦衆生どだつくしゅじょう

爾時舎利弗にじしゃりほつ語龍女言ごりゅうにょごん汝謂不久にょいふく得無上道。とくむじょうどう是事難信ぜじなんしん所以者何しょいしゃが女身垢穢にょしんくえ非是法器ひぜほうき云何能得うんがなんしい

無上菩提むじょうぼだい佛道懸曠ぶつどうけんこう経無量劫きょうむりょうこう勤苦積行具修諸度。ごんくしゃくぎょうぐしゅしょど然後乃成ねんごないじょう又女人身。うにょにんしん猶有五障ゆうごしょう一者不得いちしゃふとく

作梵天王さぼんてんのう二者帝釈にしゃたいしゃく三者魔王さんしゃまおう四者轉輪聖王ししゃてんりんじょうおう五者佛身ごしゃぶっしん云何女身うんがにょしん速得成仏そくとくじょうぶつ爾時龍女にじりゅうにょ

有一寶珠ういちほうじゅ價直三千大千世界げじきさんぜんだいせんせかい持以上佛じいじょうぶつ佛卽受之ぶっそくじゅし龍女謂智積菩薩りゅうにょいちしゃくぼさつ尊者舎利弗言そんじゃしゃりほつ我獻寶珠がこんほうじゅ

世尊納受せそんのうじゅ是事疾不ぜじしつぶ答言とうごん甚疾じんしつ女言にょごん以汝神力いにょじんりき観我成佛かんがじょうぶつ復速於此ぶそくおし當時衆會。とうじしゅえ皆見龍女かいけんりゅうにょ

忽然之間こつねんしげん變成男子へんじょうなんし具菩薩行即往南方ぐぼさつぎょうそくおうなんぽう無垢世界むくせかい坐寶蓮華ざほうれんげ成等正覺じょうとうしょうがく三十二相さんじゅうにそう

八十種好はちじゅうしゅごう普為十方ふいじゅうほう一切衆生いっさいしゅじょう演説妙法えんぜつみょうほう爾時娑婆世界にじしゃばせかい菩薩聲聞ぼさつしょうもん天龍八部てんりゅうはちぶ人與非人にんよひにん

皆遙見彼かいようけんぴ龍女成佛りゅうにょじょうぶつ普為時會ふいじえ人天説法にんでんせっぽう心大歓喜しんだいかんぎ悉遙敬禮しつようきょうらい無量衆生むりょうしゅじょう聞法解悟もんぽうげご

得不退轉とくふたいてん無量衆生。むりょうしゅじょう得受道記とくふたいてん無垢世界むくせかい六反震動ろっぺんしんどう娑婆世界しゃばせかい三千衆生さんぜんしゅじょう住不退地じゅうふたいじ

三千衆生さんぜんしゅじょう發菩提心はつぼだいしん而得受記にとくじゅき智積菩薩ちしゃくぼさつ及舎利弗ぎゅうしゃりほつ一切衆會いっさいしゅえ黙然信受もくねんしんじゅ

解説

その時に仏は、諸々の悟りを求める修行者、天人、人間、出家者、在家者の男女にお告げになった。

私は、過去において計り知れないほど長い時の間、法華経を求めたが、心の動きが鈍くなりいやになることはなかった。

きわめて長い時間の中において、常に国王となって衆生を救済しようと決意し、この上ない悟りを求めたが、心は修行を怠り一度得た悟りを失って低い方に落ちることはなかった。

六種の修行を十分にしようとして布施行を修行したが、象や、馬や、七種の珍宝や、国城や、妻子や、召使いの男女や、召し使いや、頭や、眼や、髄や、脳や、身や、肉や、手や足を心の中で物惜しみすることはなく、体や命をも惜しんだことがなかった。

その時の世間の人民の寿命は、数えきれないほど長かった。

教えのためという理由で、国王の位を捨てて、政治は太子に任せ、太鼓を打って四方に宣言して教えを求めた。

「誰が私のために、利他の精神による衆生の救済をよく説いてくれるであろうか。私は当然、この身を終えるまで物を供給し、使用人となるであろう。」

その時に仙人がいた。王の所にやってきて、こう言った。

私は大乗経典を持っている。妙法蓮華経と名づけ奉る。もしも私との約束を守れるのならば、当然あなたのために説きましょう。

王は、仙人の言葉を聞いて非常に喜び踊り上り、すぐに仙人に随って、求めるものを供給し、果実をとり、水を汲み、薪を拾い、食事の仕度をし、自分の身を寝椅子や腰掛としたりもしたが、身も心もいやになる事はなかった。

その時、使えること千年が経って、教えのための故にまじめに励み給仕して、何の不足もないようにした。

その時に世尊は、重ねてこの意義を述べようとして、仏徳を賛歌して詩を説いて言われた。

私は過去の計り知れないほどの長い時間を思うと、大乗の教法を求めるという目的のために、世の国王となったといえども、財欲・色欲・飲食欲・名誉欲・睡眠欲の快楽を貧るということはなかった。

鐘を叩いて四方に告げた。誰か大乗の教法を具えている者はいるか。

もしも私の為に解説すれば、私の身は当然役に使われる下男となるだろう。

その時に阿私という名の仙人がいた。やってきて大王に告げた。

私は複雑で難しい教えを持っている。世の中では珍しいものである。

もしよく修行すれば、私は当然おまえの為に説くだろう。

このときに王は仙人に従って、望むものを提供し、薪や果物を取って時に従って恭しく敬って差しげ、心の中に言葉では言い尽くせない深い教えへの志があるために、身も心も善行を修めるのに積極的でない心の状態にはならなかった全ての諸々の生命のあるものすべてのために、すぐれた仏の教法を勤めて求めてまたわが身のためや、財欲・色欲・飲食欲・名誉欲・睡眠欲を満たすことをせず、その理由のために大国の王となって、つとめて仏の教えを求めこの教えを得て、ついに煩悩を断ち無上の悟りを開くに至った。

今この理由のためにおまえのために説く。

仏は諸々の出家男子にお告げになった。

その時の王とは、すなわち私自身これである。

その時の仙人とは、今の提婆達多これである。

提婆達多は、人々を仏の道へ誘い導く人であったから、私に六種の修行、人々を哀れみ楽しみを与え苦しみを取り除くこと、僧や貧者に金品を寄付すること、仏のみが備える三十二のすぐれた身体的特徴、仏菩薩に具わる八十の微細な良い特徴、紫色を帯びた黄金色の肌と、十種の超人的な知力、仏菩薩が説法する際に抱く畏れることのない四種の自信、仏菩薩が衆生を悟らせるための四つの方法、十八種の仏独特の特徴と、神通力と、道力とを備えられるようにしてくれた。

生死の迷いを去って一切の真理を正しく平等に悟ったこと、広く生命のあるものすべてを悟りの境地に導いたことは、皆、提婆達多が人々を仏の道へ誘い導く人であった事によるのだ。

仏は四種の仏弟子である出家男子、出家女子、在家信士、在家信女にお告げになった。

提婆達多は、この世を去ってのち、無量劫を過ぎて仏になるであろう。

その世界を、天道と名づけるであろう。

その時に、天王仏は、世に住することに二十中劫であり、広く生命のあるものすべての為に優れた教えを説くだろう。

ガンジス河の砂の数に等しい生命のあるものすべては、阿羅漢に到達した境地に入る事ができ、数えきれないほどの生命のあるものすべては、独りで悟りをひらく者の心をおこし、ガンジス河の砂の数に等しい生命のあるものはすべては、無上道に向かう心をおこして、生じることも滅することもないという真理を認識することを得、仏道修行の過程ですでに得た境地から後戻りしないであろう。

この天王仏が、最後の悟りを得た境地に入りこの世を離れた後、正しい修行によって悟りが得られる時代は二十中劫の間世に行われるであろう。

仏の全身の遺骨を納める七宝の塔を建て、高さ六十由旬(420km)、縦横四十由旬(280km)であろう。

諸々の天人や人間は皆、色々な花や、抹香や、焼香や、塗香や、衣服や、瓔珞や、瞳幡や、天蓋や、伎楽や、歌曲によって、七宝の素晴らしい塔を礼拝し供養するであろう。

無量の生命のあるものすべては、最高の自己の悟りに達した聖者の境地になり、無数の生命のあるものすべては、独りで悟る者の境地を悟り、考えられぬほど多くの生命のあるものすべては、悟りを求め世の人を救おうとする心をおこして、すでに得た境地から後戻りしないであろう。

仏は、出家得度して具足戒を受けた男子にお告げになった。

未来世において仏法に帰依した男子や仏法に帰依した女子が、妙法蓮華経の提婆達多品を聞いて、浄らかな心で信じ敬って疑いを生じないものは、地獄・餓鬼・畜生の世界に堕ちず十方の仏の前に生まれるであろう。

生まれた所では、常にこの法華経を聞くであろう。

もしも、人間や天人の中に生まれたなら、きわめてすぐれている楽しみを受け、もしも、仏の前にあるなら、蓮花の中に母胎からではなく忽然として生まれるであろう。

その時、下方にいた多宝如来に従っている智積という名の悟りを求める修行者が、多宝如来に言った。「本土へ還りましょう」と。

釈迦族の聖者の如来は、智積菩薩にお告げになった。

仏法に帰依した男子よ、しばらく待て。ここに悟りを求める修行者がいる。文殊師利という名である。共に会って、優れた教えを話し合い、本土に還られるのがよい。

その時に文殊師利は、千枚の葉がある車輪のように大きな蓮華に座り、共にやって来た悟りを求める修行者もまた宝蓮華に座り、大海の婆葛羅龍王の宮殿から自然に涌き上って来て、虚空に静止した、

耆闍崛山に参上して蓮華から下りて、仏前にやって来て、二人の世尊の足を額に頂いて敬礼し、敬って

礼拝をし終って、智積菩薩の処に行き、共に挨拶をしてから一隅に座った。

智積菩薩は、文殊師利に問うた。

龍王の宮殿に行かれて教化された衆生、その数はどれほどか。

文殊師利は言った。その数は無料であって数えることは出来ない。口で説明することもできない。心で測ることも出来ない。

しばらく待て。自らその証拠が当然あるべきである。

こう言い終らぬうちに、無数の悟りを求める修行者が、宝蓮華に座って海より涌き出し、耆闍崛山に参上して、虚空に停止して留まった。

この諸々の悟りを求める修行者は、皆、文殊師利によって教え導かれ迷いから救われた者達であった。

悟りを求める修行者としてなすべき実践を具え、皆共に涅槃に至るための六つの徳目を説いた。

本をただせば自己の悟りのみを求める修行者であった人は、虚空の中にあった。そして自己の悟りのみを求める修行者としてなすべき実践を説いた。

今は、皆すべての衆生の平等な救済と成仏を説く教えのなかの、すべての事物はみな因縁によってできた仮の姿であり永久不変の実体や自我などはないという意義を修行しているのである。

文殊師利は、智積に説明した。

海において教え導いたその事実は、この通りである。

その時、智積菩薩は詩によって賛嘆して言った。

偉大な知恵と徳があり力強く健やかであり、無量の人々を教え導いて迷いから救った。

今、この諸々の大いなる集い、および私は皆既に見た。

あなたが真実の本性の意義を演説し、仏に成るために一切衆生を乗せて仏の悟りへと運ぶ一乗の教えを開き明らかにして、広く諸々の多くの衆生を導いて、速やかに煩悩を断ち切って悟りの境地に達成させた。

文殊師利は言った。

私は、海の中に於いて、ただ常に妙法蓮華経を述べて解き明かした。

智積菩薩は文殊師利に問うて言った。

この経典は、意味や境地などが深遠であり細かく複雑であって、諸々の経典の中の宝、世の中にめったに無いものである。

生命のあるもので一生懸命雑念を去り仏道修行に専心しこの経を修行して、速やかに仏になる事ができた者が誰かいるだろうか。

文殊師利は言った。居る。

婆葛羅龍王の娘。年は八歳である。

智慧は生まれつき賢く、よく生命のあるものすべての目(視覚)・耳(聴覚)・鼻(嗅覚)・舌(味覚)・肌(触覚)・意(感情)による行状を知り、教えの真理を記憶する力、行者を守る力、神通力を与える力である陀羅尼を得、諸仏の説かれた非常に奥が深い秘蔵の教えを全てよく銘記して忘れず、深く精神を集中し静寂の心境に達し、諸々の教えを心によく悟り、きわめて短い時間の間に、悟りに向かう心を起こして、信念を持ち何事にも屈しないことを得た。
巧みに話す能力は何ものにもとらわれず、生命のあるものすべてを慈しみ念ずることは、あたかも赤子のようである。

現世や来世に幸福をもたらすものになる善行を備えて、心に念じ、言葉に語ること、何ともいえない美しさや味わいがあり広く大きい、慈悲心が深く、憐みが深く、こころはおだやかであって奥ゆかしく、巧みに煩悩を断ち切って悟りの境地に達した。

智積菩薩が言った。

私が、釈迦如来を見奉れば、限りなく長い時間において難行苦行し、幸福をもたらすもとになる善行を積み重ねて、悟りを求める修行者の道を求めて未だかつて休息されたことがない。

三千大千世界の物事を細心に分別して観察してみると、芥子粒ほども、釈迦如来が悟りを求める修行者のときに身や命を犠牲になさらなかったことになどなかった。

生命のあるものすべてのためという理由であった。

そうして後に悟りの智慧の道を成就することを得たまわれた。

信じられない。この娘が一瞬の間に於いて真の悟りを得たということが。

言葉がまだ終わらないうちに、竜王の娘は、突然に現れて、世尊の足を額に頂いて礼拝し、退いて一隅に座り、詩によって讃えて言った。

仏は深く罪と幸運の兆候を達観して、普く十方を照らされる。何ともいえない美しい清浄な法体となった身、外面に現われた兆しを具えること三十二、仏の身体に備わる八十種の特徴によって、真理そのものとしての本体を飾る、天人や人間の仰ぎいただく処であって、龍や鬼神もすべて恭しく敬う。この世に生を受けたすべての生き物で、尊ばない者はない。

教えを聞いて煩悩を断ち切って悟りの境地に達したことを、只仏のみが証明し当然知っているはずだ。

私は衆生の平等な救済と成仏を説きそれが私の真の教えの道であるという教えの意義を明らかにして、迷いの世界から解脱させよう。

その時に舎利弗は、竜王の娘に言った。

お前は、教えを聞いてすぐに無上道を得たと言っているが、この事は信じ難い。

理由は何故かというと、女の身は垢で汚れて、私の教えを受け入れる素質や仏道修行に耐えられる能力がないからだ。どうして煩悩を断ち切ってこの上ない悟りの境地に達することができようか。

仏道は長く広範囲で、限りなく長い時間非常に苦労し修行を積み、つぶさに六種の修行を修めて、しかるのちに完成するのだ。

また、女性の身には、なお五つの障りがある。

第一に色界の初禅天の王になる事ができない。第二に帝釈天、第三に魔王、第四に転輪聖王、第五に仏の身になる事ができない。

どうして女の身が、早く煩悩を断ち無上の悟りを開くことができようか。

その時に竜王の娘は、一つの宝珠を持っていた。その価値は、三千大千世界ほどあった。

それを持って仏に献上した。仏はすぐにこれを受け取られた。

竜王の娘は、智積菩薩と尊者舎利弗にこう言った。

私は宝珠を献上いたしました。

世尊がお納めくださったこのことは、速かったですかそうではないですか。

答えて言った。

とても速かった。

娘が言った。

あなたの神通力によってわたしが煩悩を断ち、無上の悟りを開くことを観なさい。また、これよりも速いであろう。

この時、その集まりの人々は皆、竜王の娘が突然変わって男となり、悟りを求める修行者の修行を備え、そして南方の煩悩のけがれを離れて清浄である世界に行き、宝蓮華に座って、生死の迷いを去って一切の真理を正しく平等に悟ることを完成し、仏の身体に備わる優れた三十二の相と八十種の特徴があり、広く十方のこの世に生を受けたすべての生き物に、言葉では言い尽くせない意味の深い教えを説いているのを見た。

その時、娑婆世界の悟りを求める修行者と自己の悟りのみを求める修行者と、天龍八部衆と、人間と人間でないものと皆は、遥かにあの竜王の娘が仏に成って、広くその時の会の人や天人達の為に教えを説いているのを見て、心は大いに歓喜して、すべてみな遥かに敬って礼拝をした。

数えきれないほど多くの生命のあるものすべてが教えを聞いて悟り、仏道修行の過程ですでに得た境地から後戻りしない境地に入り、数えきれないほどの多くの生命のあるものすべてが、未来世の成仏の証言を得た。

煩悩のけがれを離れて清浄である世界は、六種に震動した。

娑婆世界の三千の生命のあるものすべては、仏道修行の過程ですでに得た境地から後戻りしないようになり、三千の生命のあるものすべては、悟りを求めようととする心をおこし、未来世で煩悩を断ち無上の悟りを開くことの証言を得た。

智積菩薩および舎利弗と、全ての集まった人々とは、何も言わず信じ受け入れた。

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