妙法蓮華経 方便品 第二(現代語訳)
その時、世尊は瞑想を終え、静かに目を開き、舎利弗にお告げになった。
「諸々の仏の智慧は、計り知れないほど奥が深い。
その智慧の門は、難解であり、入る事は難しい。
全ての自己の悟りのみを求める修行者や、独力で悟りながら他人に説かない小乗の聖者は、知ることはできない。
理由は何故かというと、仏は、かつて過去において、数え切れないほどの多くの仏に親しく近づき教えを受け、自ら進んでいろいろな仏から授かったたくさんの方法を実践し、勇気を持って猛進し、雑念を去り、仏道修行に専心をして、人々から尊敬され知られるようになったからである。
『やめよう、説いても無駄である。如来の法は難解の法である。如来だけにしかこの世を理解できない。』
この世の真理は言葉で表現できない。如来以外は理解できないのだ。お前のように智慧第一と称される者でも無理である。これまで、その能力に合わせて三つの教えを説いてきた。」
集まっていた阿羅漢、二乗の出家在家の男女は思った。
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